省エネ補助金の公募要領が発表されました【省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金・省エネルギー投資促進支援事業】

令和6年3月18日に事業所向けの省エネ補助金(省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金・省エネルギー投資促進支援事業)の公募要領が発表されましたので、詳しく解説いたします。

省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(下記のI、Ⅱ)は、工場や化石燃料を使用する生産設備の電化や脱炭素を目指す、革新的なGXを目指す企業向けの補助金です。また、省エネルギー投資促進支援事業(下記のⅢ)は、今あるエアコンや設備でより省エネ能力の高い設備に更新する企業向けの補助金です。

上記2つの補助金では、EMSが設備導入時のオプションとして追加することが可能です(下記のⅣ)

省エネルギー投資促進支援事業(下記のⅢ)は、省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(下記のいⅠ、Ⅱ)に比べて導入するハードルが低いため、おすすめの補助金です。

省エネ設備の導入にご興味のある方は、当事務所までお問合せください。

I.工場・事業場型

工場や事業場において、既存の設備からエネルギー消費効率の高い設備(ⓐ先進設備・システム・ⓑオーダーメイド型設備)への更新等を行う場合に、補助金が活用できます。

ポイントは、生産ラインの更新等、工場・事業所全体で大幅な省エネを図る事業であるということです。一般的に大規模事業であることが多く、平均事業費が約5億円となっています。

また、通常補助金は、単年度で1年以内での事業完了が求められることが多いのですが、この補助金は、設備更新に複数年度かかる場合も申請でき、年度の切れ目なく工事ができます。

【導入事例】

出典:PR TIMES 北海道製油所プロダクションセンターのZEB化工事を開始
要件申請単位において、原油換算量ベースで、以下いずれかの要件を満たす事業
①省エネ率+非化石割合増加率:30%以上
②省エネ量+非化石使用量:1,000kl以上
③エネルギー消費原単位改善率:15%以上
※複数の対象設備を組み合わせて申請する場合、各設備の省エネ効果の合算値で上記要件を満たすこと
※非化石転換の場合も増エネ設備となる事業は対象外
補助対象経費設備費・設計費・工事費
補助率中小企業者等:2/3以内 大企業、その他:1/2以内
補助限度額単年度事業:上限額:15億円/年度(非化石申請時20億円/年度)
複数年度事業:30億円/事業全体(非化石申請時40億円/事業全体
要件申請単位において、原油換算量ベースで、以下いずれかの要件を満たす事業
①省エネ率+非化石割合増加率:10%以上
②省エネ量+非化石使用量:700kl以上
③エネルギー消費原単位改善率:7%以上
※複数の対象設備を組み合わせて申請する場合、各設備の省エネ効果の合算値で上記要件を満たすこと
※非化石転換の場合も増エネ設備となる事業は対象外
補助対象経費設備費・設計費・工事費
補助率中小企業者等:1/2以内 大企業、その他:1/3以内
補助限度額単年度事業:上限額:15億円/年度(非化石申請時20億円/年度)
複数年度事業:30億円/事業全体(非化石申請時40億円/事業全体

Ⅱ.電化・脱炭素燃転型

化石燃料から電気への転換や、より低炭素な燃料への転換等、電化や脱炭素目的の燃料転換を伴う設備等の導入を支援します。対象設備は(Ⅲ)設備単位型で指定される①産業用ヒートポンプ ②業務用ヒートポンプ ③低炭素工業炉 ④高効率コージェネレーション ⑤高性能ボイラのみです。今年度新たに設けられた募集枠で、Ⅲよりも補助率が高いのが特徴です。

【導入事例】

出典:経産省 令和5年度補正予算における省エネ支援策パッケージ
要件電化や脱炭素目的の燃料転換を伴う設備等の導入が対象。
対象となるのは、エネルギー消費効率等の基準を満たし、SIIによって補助対象として登録・公表された設備:
①産業ヒートポンプ
②業務用ヒートポンプ給湯器
③低炭素工業炉
④高効率コージェネレーション
⑤高性能ボイラ

これらに加え、SIIが電化・脱炭素燃転に資するとして指定した「その他の高性能な設備」も補助対象。
補助対象経費設備費のみ
補助率中小企業者等:1/2以内 
補助限度額【上限額】3億円/事業全体(電化の場合は5億円/事業全体)
【下限額】30万円/事業全体

Ⅲ.設備単位型

事務局が事前に登録及び公表した設備リストから選択する機器の導入を支援します。

設備リストには、高効率空調、業務用給湯器、高性能ボイラ、変圧器、冷凍冷蔵設備、産業用モータ、調光制御設備、工作機械、プラスチック加工機械、プレス機械、印刷機械、ダイカストマシンが含まれています。詳細については、補助対象設備一覧をご確認ください。

要件事務局が定めた基準を満たし、補助対象として登録・公表された指定設備を導入
【ユーティリティ設備】
①高効率空調
②産業ヒートポンプ
③業務用給湯器
④高性能ボイラ
⑤高効率コージェネレーション
⑥低炭素工業炉
⑦変圧器
⑧冷凍冷蔵設備
⑨産業用モータ
⑩制御機能付きLED照明器具
【生産設備】
⑪工作機械
⑫プラスチック加工機械
⑬プレス機械
⑭印刷機械
⑮ダイカストマシン
上記に該当しない「その他SIIが認めた高性能な設備」として指定した設備も対象。
補助対象経費設備費のみ
補助率1/3以内
補助限度額【上限額】1億円/事業全体
【下限額】30万円/事業全体

Ⅳ.エネルギー需要最適化型

エネルギーマネジメントシステムを活用して省エネを図る場合に使えるのが「エネルギー需要最適化型」です。

事務局に登録されたエネマネ事業者と「エネルギー管理支援サービス」を契約し、事前に登録されたEMSを導入して、効果的に省エネルギー化及びエネルギー需要最適化を図る事業に補助されます。単独でも、Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ型と組み合わせても活用できます。

要件申請単位で、「EMSの制御効果と省エネ診断等による運用改善効果」により、原油換算量ベースで省エネルギー率2%以上を満たす事業。
補助対象経費設備費・設計費・工事費
補助率中小企業者等:1/2以内
大企業、その他:1/3以内
補助限度額【上限額】1億円/事業全体
【下限額】100万円/事業全体

省エネ診断

「具体的に何をやればよいか分からない」との中小企業の声も多いことから、専門家による省エネ診断への支援を受けることができます。

公的機関などの省エネの専門家が中小企業を訪ね、エネルギー使用の改善をアドバイス。省エネ診断をを受けた場合は、省エネ補助金の加点措置を行っており、診断から設備支援まで、一体とした支援が受けられます

まとめ

省エネ補助金の概要をまとめました。詳細について、記載しきれませんでしたので、ご興味のある方は下記から当事務所にお問い合わせください。無料でのZOOM相談の他、訪問でのご相談もお受けしております。

募集締め切りは令和6年4月22日となっておりますが、書類等の準備で2週間程度かかるものと見込まれます。お早目のご連絡をお願いいたします。