名古屋の「次に流行る店」は、なぜ伏見から生まれるのか。

名古屋で「次はどこで食べる?」という話になると、最近は伏見の店名を耳にする機会が増えました。
CARAVAN、伏見町POPEYE、西山TAXI、que、Midtown BBQ、北のマルコ。
ジンとピザ、定食、和洋折衷の小料理、ナチュラルワイン、アメリカンBBQ、酒場。
ジャンルはまったく違うのに、不思議と「今行きたい」と思わせる店が伏見には集まっています。
なぜでしょうか。
私は、その理由は料理そのものではなく、「街のつくり方」にあると思っています。
共通しているのは、料理ではない
まず、それぞれの店が提供しているものを見てみます。
CARAVANは100種類以上のクラフトジンやクラフトビール、ピザを楽しめるレストランバーです。「外国のどこかにありそうなお店」という世界観まで含めて、一つの体験を提供しています。
伏見町POPEYEは定食とスペシャルティコーヒーの店。北欧モダンを取り入れた空間で、食事だけでなく、ゆっくりと過ごす時間そのものに価値があります。
西山TAXIは和洋折衷の小料理屋。立ち飲み、テーブル席、個室とフロアごとに異なる楽しみ方ができる店です。
queはナチュラルワインと小皿料理を楽しむビストロ。2階にはワインバー「nome」を併設し、ワインを軸にした時間を提案しています。
Midtown BBQは本格的なアメリカンBBQとクラフトビールが楽しめるレストラン。本場のBBQカルチャーを体験できることが魅力です。
北のマルコは料理だけでなく、酒場ならではの活気や空気感まで含めて支持されています。
どの店も、「何を食べるか」だけではなく、「どんな時間を過ごすか」を売っています。
「料理」ではなく、「店」を選ぶ時代
昔は「焼肉が食べたい」「寿司が食べたい」というように、料理のジャンルで店を選ぶことが多かったと思います。
でも、伏見では少し違います。
「今日はCARAVANへ行こう。」
「POPEYEでランチしよう。」
「queでワインを飲もう。」
料理ではなく、店そのものが目的になっています。
それぞれの店にしかない世界観があり、その世界観を楽しみに人が集まっているのです。
街全体が、一つの飲食エリアになっている
昨日、私はMidtown BBQで食事をしていました。
すると隣のテーブルから、こんな会話が聞こえてきました。
「二次会、CARAVAN行く?」
何気ない一言ですが、とても印象に残りました。
Midtown BBQとCARAVANは業態が違います。
それでも、「次はCARAVANへ行こう」という会話が自然に出てくる。
これは一軒の人気店が目的なのではなく、「伏見で飲もう」「伏見で楽しもう」という街全体の楽しみ方が定着し始めている証拠ではないでしょうか。
コンセプトが街の個性をつくる
伏見には、「流行っているから真似した店」があまりありません。
むしろ、「こんな店をつくりたい」という強いコンセプトから生まれた店が目立ちます。
CARAVAN、伏見町POPEYE、西山TAXIを展開する十七商店も、その代表例です。
ジャンルは違っても、「料理だけではなく体験を提供する」という考え方が共通しています。
だから新店舗ができるたびに、「今度はどんな店だろう」と期待されるのです。
「次に流行る店」は、街が育てる
もちろん、栄や名駅にも人気店はあります。
しかし、伏見には新しい挑戦を受け入れる空気があります。
個性的な店が生まれ、その店を目当てに人が集まり、街を歩き、また新しい店に出会う。
その循環が、新しい店をさらに育てています。
だから私は、「次に流行る店」は偶然、伏見から生まれるのではないと思っています。
街が、新しい人気店を育てている。
それが、今の伏見の一番面白いところです。
おわりに
私は現在、中小企業診断士として、飲食店や食品メーカーを中心に、経営改善や新規事業、補助金活用などの経営コンサルティングを行っています。
飲食店を訪れるときも、「料理がおいしいか」だけではなく、「なぜこの店が選ばれるのか」「どんな価値を提供しているのか」という視点で見ることが習慣になりました。
伏見には、料理だけでは説明できない魅力を持つ店が数多くあります。そして、その一軒一軒が街全体の価値を高め、新しい挑戦を生み出しています。
飲食店の経営改善や事業計画の策定、新規出店、補助金活用などについてご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。